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多重債務(借金の相談)における現時点での最高水準とは

今や、ネットのみならず、テレビのコマーシャル電車のつり革広告などで、過払い・任意整理の文字が躍り、うちに任せれば安心ですという弁護士・司法書士のCMが極めて多いが、そのほとんど(未だにまともな事務所の広告を見たことはないが)は消費者被害をもたらすだけのおとり広告と言っても過言ではない。
そこで、少しでも被害者への情報提供の意味で、当事務所における多重債務に関する事件処理の流れを市民向けに紹介する。
なお、「最高水準」を明記し、鼻に掛けているように思われるのは本意ではないのだが、全体的に高水準にある処理内容と、他の弁護士には真似できないオンリーワンのノウハウがあるので、最高水準を看板に掲げても偽りはないと自負しているので、鼻持ちならないとお考えにならずにお付き合いいただければ幸いである。
第1 相談から受任まで
 1 Aさんは、40才の会社員(注1)です。消費者金融7社合計で200万円(注2)の借入があり、毎月の返済だけで12万円(注3)あります。月給は23万円ですが、奥さんが管理しています(注4)ので、今月の支払が出来ずに(注5)、弁護士に相談することになりました。

 上のモデルケースで、相談における「まともな弁護士が」どのような項目に注意して、どのような情報を拾っているかを解説致します。
 ちなみに、自分こそ業界トップとほらを吹いているCMでおなじみの弁護士は、相談最初の一言が、「いつから借りてますか」でしかありません。過払いにしか関心がないからです。
 話を戻します。この事例では、まず、過払いの可能性はほとんどないと私なら判断します。本人は、目前に迫った返済ができないことに悩んで相談に来ているのに、弁護士の開口一番が、「借入古いですか?」では的を外れた質問にしかなりません。この瞬間、この弁護士は何を言っているのだろう、ということになるでしょう。

 でも、このように言われると、経験した方は多いのではないでしょうか。

 さて、なぜ、その可能性は低いと判断するのか、私が着目した事実関係に(注意)表記をしておきました。


 まず、注1について、解説致します
 借金でお悩みの方が当事務所にご相談にお見えになるとき、相談票を作成いただきます。このときに、職業が分かります。月の手取額や借入先と金額についても、たとえば弁護士会の相談などでは、弁護士の待機するブースに入る前に相談票で書き込んでおりますが、当事務所では、「問診票が出来たら、お入り下さい」ではないので、聞き取りながら作成していきます。
 相談者の職業は重要なポイントです。これだけでいろんな情報が得られます。ちなみに会社員の方と自営業の方では債権者の顔ぶれが異なりますが、それぞれに一定の傾向が見られます。自営業の方は保証協会の保証による地方信用金庫の借入他、中小企業向け融資制度による借入が先行し、信販会社、商工ローン、消費者金融という手順で債権者の数が増え、移行していく傾向があります。もちろん、全部をパターン化出来ませんので、あくまでそのような傾向が多いというだけですが、自営業の方が商工ローンや小口消費者金融からの借入を持っていれば、ほぼ末期です。この場合、ここから派生する各種の問題にも配慮しないといけなくなるのです。
 設例は会社員です。消費者金融にとって、会社員というのは、給与の差押や、端的に職場に知られたくないという恐怖心を煽って、高利の返済を促しやすくなる存在と捉えられていることが多いのです。勤務先が名の通った会社であれば、一層その傾向は強くなります。
 今は総量規制の適用がありますが、少し前までは、会社員の顧客に対しては、融資の増額を持ちかける傾向があり、本件のように200万円まで借入が膨らむ方は返済のための借入先を探し回っているものなので、安易にこれに応じやすくなります。

 設例の情報だけですが、最も高い確率で生じるのは、消費者金融への借入を始めてまだ3年前後、当初の借入の使途は遊興費か飲食代金、その後返済のための借入という場合です。無論、これ以外のパターンのケースもありますが、もし、このページをご覧になっている借金でお悩みの方で、設例と同じ条件の方がいらっしゃいましたら、ご自分のケースと比べて下さい。驚くほど当たっていると思います。
 どうして、このような推測を建てるのか、ですが、ここで注2に着目します。消費者金融7社で200万円ということは1社平均30万円です。もちろん、業者全部が同じ融資枠ということはないでしょう。最初のうちに借りたところは50万、直近に借りたところは10万円前後でしょう。
 しかし、このような傾向は長い年月を掛けて、多重債務になった人に見られる傾向とは少し違うのです。
 また、毎月の注3:返済額が12万円で手取りが23万円というところにも、ポイントがあります。消費者金融でお金を借りるということをしない方がこれを見ると、毎月12万円の返済なんて、23万円の収入で返済できる訳はない、と思います。その感覚大切です。ずっと持ち続けて下さい。返せる訳はないのです。つまり、毎月の返済分をATMで入金したその場で、生じる融資限度枠の空きを利用して、そのまま借入をするのです。つまり利息だけ支払っているのと一緒で、おそらくその利息も、ご自身の小遣いからでしょう。注4:会社の給与は全て奥さんが管理しているのに、短期間で、借金が膨らんだとすれば、借金していること自体も知らせていないでしょう。だから自分の采配でなんとかなる小遣いから利息分だけの返済をする。しかし、そんなことを続けていれば、時間の経過と共に、利息は増大します。100万円の債務だってサラ金から借入をすれば、1年あたりの利息は30万円弱なのです。23万円の手取りの会社員の小遣いはどう頑張っても月3万でしょう。もっと少ないかもしれません。当然会社の付き合いもあります。なので利息を含めた返済資金すら借入に頼り、結局注5:短期間でいきなり増大した債務の経過を見て、新規の貸付に消費者金融が応じなくなったところで、相談に来たという経過をたどったのだろうと推測できます。

 なお、上記はあくまでも推測ですが、借金で相談に来た方は、往々にして本当のことを正直に話したがらないものです。上記の事例では、「妻に内緒」の部分と「最初の借入がおそらく遊興費」という部分が、相談者をして口を閉ざしたい理由に該当します。
 これらの事実は手続を進める上で、分岐となる事実ですから、早期に知っておく必要があります。
 無論、事実が推測と違うなら違うで良いのですが、そうであれば、債権者の顔ぶれ、借入の経過とつじつまの合う説明がなされる必要があります。
 相談を聞く立場で、あらかじめ関所を設定して、その関所を通過できる説明があるかどうかという視点で相談を聞くことで、「なんで言わなかった」というリスクを減らすことができるのです。
 また、こうした事例は臨床の経験が物を言います。決して相談件数何万件を誇示している事務所のことを指しているのではありません。なぜなら、弁護士が相談者の話を聞かずに、事務員にやらせているからです。
 医師は問診票だけで200程度の病気に絞り込み、触診と聴診で10前後の病気にさらに絞り込み、最後にその病気を判明させるために、検査を行うと言います。
 弁護士も、同じで、相談票の時点から、どこにどのような情報があるのかに注意して、相談者の説明だけでなく、その説明が、裏付けのある事実と整合するかどうかに注意しながら、事実を把握しなければ、その後の判断は全てずれていくことになるのです。

 また、上記の事例の事実がほんの一部変わるだけで、おそらくは相談者が意図的に説明しなかった事実、つまり過払いの存在が想定される事案に変わります。
 

 借金について、相談を考えている皆様へ
 借金がギャンブルや浪費だったら、破産できないのではないか、破産出来ても免責(借金の支払い義務を無くしてもらうことです)はできないのではないかとお考えの皆様がおられると思います。これが弁護士までの距離を遠くする原因になってしまいます。
 また正直に話したら、弁護士が依頼を受けてくれないのではないかという不安を持たれる方もいらっしゃると思います。現実にそういう依頼者の方もおられます。
 こうした事実が相談者をして、事実を脚色してよく思われたいと不都合な事実を隠そうとし、あるいは事実と違うことを説明しようとする原因となります。
 しかしながら、まず、
 「これまで借金を重ねてきた原因は過去の事実であり、変えようがありません」
 この事実と共に出発していただきたいと思うのです。
 その上で、ギャンブルや浪費の場合、破産出来ないということはありません。もっとも借金を重ねた相談者にとって、破産というのは、借金の返済を免れたいということを意味しますので、ギャンブルや浪費により、借金の帳消しを受けられなくなる場合も法律の規定上はあります。
 但し、難しい言葉ですが、こういう借金を帳消しにするのはいかがなものか、という不適当な事情を「非免責事由」と呼んでいますが、そのような事由があれば、一切免責は認めないという立場を法律は採っていないのです。その場合であっても他の事情なども考慮して、裁判所が免責を相当と認めることも「できる」とされています。
 安易に考えてもらうのはもちろん危険なのですが、だからといって、相談自体を躊躇してしまうと、余計大変なことになります。
 私の事例で言えば、借金の大半がギャンブルという人ももちろんいましたが、今まで破産申立で免責が認められなかった人は一人もいません。
 借金の原因がギャンブルなどの場合、裁判所によっては、あるいは事情によっては、申立時に、管財事件にすることもあります。
 管財事件とは、裁判所が選任する監督者をつけて、破産手続を行うことを言います。法律の条文が死文化(書いてあるのに使われない状態)してしまい、管財人の費用は申立人が準備することになってしまっています。この場合には申立をする弁護士に掛かる費用の他に、管財人と呼ばれる人の費用まで必要になります。多くの場合、20万円前後です。
 それでも、破産に伴い、支払の免除を求める金額と比較して下さい。そんな費用が掛かるのはいやだと、手続自体をあきらめたら、一体どうなるのですか?今までどおり、減らない借金の返済を続けていくのでしょうか?申立の費用、管財人への費用、両方足しても追いつかない借金を抱えて相談にお見えになったのです。もう一歩踏み出す勇気を持ちましょう。
 申立のための費用も管財人の費用も分割にすることができます(但し、管財人の費用の分割は最長でも6ヶ月程度のようです)。当事務所の場合、分割の最少額は1万円ですので、2年に渡ることもあります。この場合、全部の支払が終わらなくても申立を行うことはありますが、手続終了までに、分割で納めていただくようなスケジュールにすることが大半です。

 こうした説明は、全て相談の時点でさせていただきますので、相談の上で、ご依頼になるかどうかをお決めいただければ結構です。
 ただ、最近は、依頼者を獲得したいという気持ちだけから、不都合な事実は隠し、うちに任せておけば安心ですと耳障りの良い言葉しか言わない弁護士が居ると聞き及んでおります。
 そういう事務所の場合、依頼者に存在する不都合な事情を隠して申立をするらしく、裁判所が警戒して、その弁護士による申立は全て管財事件にするという話も側聞しています。そういういわゆるブラックリストに載っている法律事務所に相談するのは、余計被害は増えることになりますので、お気をつけ下さい。

 なお、不都合なことはなるべく言いたくないというのはお気持ちとして分かりますが、破産に対して抱いているマイナスのイメージの大半が、都市伝説だったりしますので、事実ありのままに話していただいて、その上で最善の方法を考えましょう。
 私にウソをついてもかなりの確率で見破りますし、裁判所の書記官は、私以上に日々事件に接していますので、違和感のある事実にはすぐに引っかかります。
 裁判所で、事実と違うことが判明するというのは、致命傷に近いものがあります。何よりもご自身のためにならないことをご理解いただいて、他言する訳ではないので、正直にお話頂くことが重要です。

第1’会社員ではなくて、自営業者の場合はどうか
 債権者の顔ぶれに注意しますが、同時に、収入が安定しない場合も多々あります。
 出来るだけ早い段階で、確定申告や月次報告書など、会計書類を確認する必要性を理解してもらう必要があります。
 また、事業を続けるのか廃業するのか、この選択が一番難しいです。
 相談者の大半は事業を続けたいと言われます。しかしながら、事業の継続が赤字しか産まない場合、事業を続けることが間違っていることになります。
 借金の金利が事業を圧迫している場合には、廃業しない処理ができるかどうかという問題には直面しますが、多くの相談者がそうであるように、特定の業者「だけ」、月末に支払のある、この業者「だけ」なんとかならないか、という相談、私はその辺の金儲け主義の弁護士ではないので、希望には応じかねると回答しています。

 弁護士による介入通知は、いわゆる信用事故情報に該当します。特定の債権者だけを相手にしているつもりでも、他の業者は、債務者の信用不安を理由に資金の引き上げを画策いたします。
 結果として、早晩に、事業が立ちゆかなくなることになります。全部を平等に扱えば避けられた問題にすら直面することがあるということを理解しないと、この時点で、相談者の不満を買うことになります。結果耳障りの良い話しかしない弁護士に騙されるのでしょう。
 しかし、私が首つりの足を引っ張った訳ではない、そのように言い聞かせるようにしています。こういう人がその後別の弁護士に依頼して危難を乗り切ったという話は全く聞いたことがありません。
 
 自営業者の場合、安定しない収入の平均化というかなり難易度の高い判断を要求されます。この難易度の高い判断は、事業を続けることが可能かどうかという判断のためにしているものです。
 どう考えても無理なら、その説明をしないといけませんが、その場合に、根拠を示さない限り、そうでなくても感情的になっている相談者への説明ですから、聞きたくない話をする弁護士には不信感を持つ訳です。

 前に一度ブログで触れたことがありますが、固定資産の減価償却処理を税理士に指摘されても、しなくなった、つまり、最初に購入したたとえば車両などの取得価格のまま簿価の資産のところに計上している経営者さんは、もう手遅れだと思います。
 何のためにそのようなことをされたのかは、分かります。こうした会計上の粉飾処理がなされているかどうかを、会計書類を見て見当をつけます。
 事実を把握しなければ続けられる事業も続けられなくなりますが、基本的には、過失で帳簿の内容が間違っているということは滅多にありません。理由があって、数字を変えている方がほとんどです。
 傷口が広がる前に、手当をするのも弁護士の役目だと思いますし、依頼時に敢えて隠した事実は、後になるほど言いにくくなるものです。弁護士においても出来るだけ事実に対する嗅覚は敏感であるべきだと思います。言いにくいことを見逃してしまうと、後になってから大変なことになる、その大変さが、初めて弁護士への相談を経験する人にはわかりにくいということもあります。


第2 受任(事件の方針の説明)
 前項の1の事例を元に、方針を考えてみましょう。
 重要 相談者にとって、最も利益の大きな手続を選択すること
 法律家はそのために相談を受けているのです。当たり前のことですが、相談する人にとって何が最善かということをきちんと考え、説明することが重要です。
 「ところが、相談者ではなく、依頼を受ける自分にとって、最も経済的利益の大きな手段を選択する弁護士が残念ながら居ます。もはや社会問題にすらなっています」
 現時点で、個人消費者の場合を前提にすれば、借金が返せません、という相談において、事実その通りであるという場合における選択肢は3つあります。
 ・自己破産をする。
 ・個人再生手続の申立をする。
 ・任意整理をする。
 
ところで、上の順番で説明したことには理由があります。
 私は、借金の相談を聞く上で、上の順序をそのまま優先順位として、相談者につき最善の手続が何であるかを検討します。
 つまり、破産手続に何の支障のない依頼者については、破産が通常は最善であることを説明します。

 1 自己破産こそ、最も優先されるべき手続

 チェックポイント
 悪質弁護士以外であれば、誰もが経験する相談者の「破産は絶対にイヤです」。この言葉はほとんどが誤解に基づいているのです。
 ちなみに悪質弁護士などは、これ幸いとばかりに任意整理に話を持って行くのに、本人が望まなかったからという言い訳に使いますが、インフォームドコンセントというのは、適切な情報を与えた上での本人の決定に基づくということを意味します。
 むしろ、この部分を不当に誘導して、本人が任意整理に同意したという形式を取る卑怯な弁護士には十分ご注意下さい。

 以下ありがちな誤解について
問「自己破産したら、選挙権が無くなるって聞いたんですけど」
答「無くなるのは選挙権ではなく、被選挙権です」
 まあ、一言で言えばそういうことですが、両者の違いをきちんと区別できている相談者はいないために、こういう誤解が生じます。
 ですが、この質問は、その事実が相談者において、破産を避けたいという決定的な理由になっているのではなく、もう少し感覚的な意味で、破産に対するネガティブなイメージを持っていて、単に嫌いと説明するのも弁護士の手前、説得的ではないので、という意味で用いていると考えた方が良いと思っています。
 本題に話を戻しますが、つまり、投票する権利が無くなるのではなく、破産手続が開始されて、免責決定を受けるまでの間、これ難しい言葉で復権と言いますが、被選挙権、すなわち議員、知事への立候補が出来なくなります。
 あまり関係なくないですか?

問「自己破産したら戸籍にその事実が載ると聞いたんですけど」
答「イエスでありノーです」
 別に答えをはぐらかしている訳ではありませんが、前述のとおり、自己破産し復権しないもの(免責前)は選挙に立候補できません。また一定の資格試験の受験資格がありません。このために、選出を行うところに自分が有資格者であることを証明し、あるいはそうした機関による照会に回答できるように、戸籍を管理する各市町村は、本人に関する戸籍情報の中で破産手続の有無を把握しています。
 しかしながら、この情報は、普段一般の人が目にしている戸籍の謄本類に記載される訳ではなく、市町村が、特定の照会を受けた時にだけ回答する内部資料に記載されているだけです。
 質問のような心配はもっぱら、市町村の窓口の職員にまで知られる(特に地方の場合相互に顔見知りのことも多いと思いますが)ことを懸念してのことと思われますが、その心配は杞憂です。

問「破産したら就けない職業があると聞いたんですけど」
答「あります」
 実際問題として、自己破産を避ける理由の大半がこれです。
 破産手続が意味するものは、債務が自分の返済能力を超えたという事実です。したがって自分の経済状況をコントロールできなかった方に、就いてもらうのは不適切と思われる職業も世の中にあります。こういう職業はその多くが資格試験への合格を要するものであり、破産を身分喪失の原因としています。
 一番わかりやすいのが私たち弁護士、破産したら資格が無くなります。同じ理由で税理士、公認会計士なども。他人のお金を預かり、管理する訳ですから、自分のお金を管理できないのに、他人のお金が管理できますか、という話にはなります。
 あと、意外なところで、警備員とか保険外務員なども駄目のようです。
 公務員は、公務員試験の要件になっているのですが、実際に公務員になってから、欠格(資格を失うという意味です)になっているのは一部で、公務員の全部が破産によって資格を喪失する訳ではありません。これは私も実務に出てから知ったことでした。なので公務員=破産は無理ということではないのです。ただ、確実にその後の昇格に影響を及ぼすと思いますので、基本的には公務員の場合、信用が安定していることもあり、後述の個人再生手続を選択することが大半です。

問「破産したら近所に分かってしまうのでは」
答「どうやって?」
 もうここまで来ると都市伝説の領域ですが、事実上不可能です。理論上は、破産した事実は官報に掲載されますので、官報を見れば破産の事実が掲載されることになっています。
 しかしながら、あなたの周りに官報を見ている人なんていますか?
 私なんて、依頼者が過去に破産手続をしたという説明を元に、その破産決定を裁判所に申請するための事件番号を知るのに、年と月まで聞いて、そこから官報への掲載期間を推測して、大学図書館で官報のバックナンバーを調べるのに、3時間掛かりました。
 いつ、破産手続の決定がなされ、いつ官報に載るか分からない人の名前と住所を全部把握しているあなたの近所の人なんていると思いますか?と尋ねると、大半の方は納得されます。
 現実に、今や日本国民の10人に一人は多重債務者で、30人から50人に一人は破産しているはずです。つまり、あなたの小学校時代のクラスメートの一人は破産していることになります。
 あなたが個人的に知っている人ですら、誰が破産したことがあるか、など知らないでしょう。まして、近所というだけで何の関心も無い人があなたの破産手続を知る術などないのです。

 ということで、破産に対する間違った印象・先入観を変えてもらうことも大事な弁護士の仕事だと思います。
 それでも、どうしてもイヤだという人に無理強いできませんが、借金を持たずに人生の再スタートを切ることが出来るというメリットは、他の手続にはないものです。その分、更生が容易であることは覚えておいて頂きたいのです。

 2 個人再生手続こそ、最も使い勝手の良い手続
 チェックポイント
 法律制定の目的こそ、個人再生手続を利用すべき判断の第一の材料です。
 その適用の範囲は一言で言えば「破産以上任意整理未満」で表されます。
 そして、理論上の適用範囲は、この手続が一番広いのです。

 平成13年に導入された民事再生法の一部手続の改正、通称「個人再生手続」は、今まで「自己破産手続しかなかった」ことによる弊害を出来る限り除去し、自己破産の一歩手前で借金の強制的な清算に踏み切らせる選択肢を与えるものです。
 個人再生手続を正しく理解している弁護士は、残念ながら、市民の方が思っている程多くありません。
 中には自分が個人再生手続をよく知らないものだから、借金の相談を受けても、破産しかないね、などと説明し、もっとひどいのは、後述しますが、悪徳弁護士(司法書士も同じですので、区別しません)は自分にとって利益の多い任意整理に依頼者を誘導するために、虚偽の説明をして、この個人再生手続を避けようとします。

 住宅ローンがなければ個人再生手続は使えない?
 ここまでひどい勘違いもそう多くはないと思いますが、そんなことはありません。
 個人再生手続の最大のメリットは、住宅ローンの返済を続けながら、他の借金の減額を法律が認めているという部分にあります。
 法律上は、法律に従った割合まで借金を減額できるが、住宅ローンをその例外として扱うことが出来る、という形式になっています。

 これを一般に「住宅ローン特約」と呼んでいます。
 個人再生手続が制定された社会的な背景には「いつかは、マイホーム」という日本人特有の持ち家至上主義から、家のローンのために家族まで巻き込み、あらゆる処から借金を行い、家を手放したくないという理由から、明日の食事も出来ないくらいに追い詰められないと自宅を諦めようとしないことから、かえって借金が広がり、債権者の損失が拡大する、一家離散の社会的損失を招くという事情がありました。自己破産では救済できないこの弊害を除去することが何よりの目的であったことから、個人再生手続の最大のメリットが、この特約の存在であることは否定しません。
 しかしながら、それ以外のケースで、利用できない訳ではなく、むしろ、この個人再生手続が存在するからこそ、それまで個別に債権者と交渉し、返済額と条件を合意していた任意整理などというものは、その役割をほとんど終えていると言っても過言ではないのです。

 収入が多い人は個人再生手続が出来ない?
 これこそが悪徳弁護士の手口です。こういう弁護士が居るから、市民の弁護士に対する信頼が傷つけられるのです。
 答えはノーです
 例外的に、個人再生手続が出来なくなるケースもありますが、後で、どれだけ例外かを説明いたします。
 弁護士が説明したがらない真実がこのポイントには2つあります。
 1つは、個人再生手続にしても、自己破産手続にしても、基準となる時点(個人再生手続開始の時点と自己破産手続開始の時点)において、借金がその時点での財産を上回っていることを要件にしています。正確には、本人の信用があれば(これが給与所得者のための個人再生手続における可処分所得要件という部分に該当します)、破産・個人再生の手続はできないのですが、基準となるのは、「その時点」であって、給与が多いから払っていけるかどうか、ではありません。
 つまり、「あなたは収入が多いので、個人再生は無理ですね」という弁護士あるいは司法書士の説明は真っ赤なウソです。
 もう1つは、収入が多い場合に、個人再生手続の障碍となるかもしれない可処分所得ですら「最低返済額を決めているに過ぎない」という事実です。
 可処分所得というのは、債務者の年間の所得から、法律が規定する最低限度の生活費を差し引いた金額を、その債務者が生きていくために必要な最低限度の経費以外の「自由に処分できる金額」と規定して、その2年分は最低でも債権者への返済に回して下さいというものです。この可処分所得の2年分が借金の総額を超えてしまえば、少なくとも借金の全額は払って下さいと言っている訳で、個人再生手続にはならなくなります。
 ただ、そういう人は普通に消費者金融の高利ですら払えているので、まず相談には来ません。これが、「収入が多いので個人再生は無理ですね」が成立する唯一のパターンです。上の弁護士がいかに嘘つきかということが分かりましたでしょうか。
 また、理論上は個人再生手続によって借金の全額を、3年間掛けて、分割で支払っても良いのです。個人再生手続において、これ以上悪い条件はあり得ません。
 ですが、いわゆる「任意整理」というのは、この返済条件を、それも個人再生手続が、債権者が同意しなくても問答無用で認めると言っているのに、個別に債権者と交渉して合意することを言います。
 消費者金融は、過払い金を取り返された恨みから、任意整理の交渉には応じなくなりました。正確には、分割で返済するまでの間、利息を付けるよう請求するというものです。
 そんな条件で履行できるくらいなら、始めから債務者が相談に来ることなどありません。個人再生手続で、仮に、開始決定までの利息と元本の返済割合が元の債務の100%だったとしても、開始決定以後の利息・遅延損害金の支払いは、100%免除の対象になります。この違いだけでも、任意整理などする意味がなくなるのです。

 3 任意整理こそ、債務者に最も不利益を及ぼす手続であり、避ける理由がある限りは避けなければいけない手続
 以前、ブログにも書きましたが、この真相暴露が理由で、私は多くの不誠実な悪徳弁護士から恨まれております。
 しかし、既に個人再生手続で説明したとおり、その返済条件を法律が許容する範囲で最低最悪にして、ようやく任意整理において、利息の支払いは一切認めない条件で全ての債権者と合意した状況と一緒なのですから、積極的に利用する理由が一体どこにあるというのでしょう?
 ところが、悪徳弁護士であれば、この手続を積極的に利用する理由が2つあります。
 そのうちの一つが作業効率で、もう一つは減額報酬です。
 それ以外の理由で、任意整理手続を選択せざるを得ないという場合は、言葉を換えれば、個人再生手続が選択できない、あるいはする理由がない場合しかありません。

 まず、悪徳弁護士の手口について説明します。
 任意整理というのは、債権者と個別に返済条件を協議し、合意することを言いますが、常識的には、まず債務者の家計を確認し、毎月、間違いなく返済できる金額(返済原資と呼びます)を確認し、その金額の範囲内で、基本的には3年間36回の分割以内で返済できるかどうかを確認した上で、その条件での交渉をすることを言いますが、
 悪徳弁護士はそのようなことはしません。
 単純に、取引履歴の開示を求め、引き直し計算をした金額を36回で分割して、合意しようとします。債務者が払えるかどうかは関係ありません。
「この私が、分割の支払いで合意してやったんだから払うのが当たり前」と説明します。
 また、債権者も今はゴネますので、ゴネるところには利息の支払いも約束します。どうせ他の債権者にはバレないので、と考えています。
 このような方法だと、弁護士ではなく、事務員がその全ての作業を担当できます。電話での交渉も5分程度で済みます。まじめに依頼者と家計収支表の作成や返済原資についての意思の疎通を図っていたら、平気で3時間4時間もかかります。
 そんなことをするくらいなら、ゴネるところには利息を払ってでも合意をまとめてしまえば個人再生手続なんかをするのとは比較にならない程、短時間の、またその全てを事務員が担当できるので、低い人件費で売上を得ることができるのです。
 また、弁護士に相談する前に貸金業者は、いわゆる違法金利で請求してますが、利息制限法を知っているだけで、本来の返済義務はもっと少ないことを指摘できます。するとあたかも弁護士が交渉して返済額を負けさせたかのような勘違いを依頼者にしてもらえることが可能です。その差額分の10%程度を減額報酬としてもらえば、弁護士の手を煩わせることなく、一粒で二度美味しいのが任意整理です。

 ということで、悪徳弁護士が個人再生手続を回避する理由はまさに上記の点にあるのです。個人再生手続では、通常、返済額は借金の5分の1か100万円のうち金額の大きい方です。だからといって、債権者から請求を受けていた金額との差額について報酬をもらうなどという考え方は一般的にありません。だから金儲けしか頭になく、依頼者の利益など微塵も考慮しない弁護士は個人再生などウマ味がないと考え、「あなたは収入が多いので個人再生は無理ですね」と言い放つ訳です。
 また、当たり前ですが、ゴネたら利息も含めて払ってもらえるなら、貸金業者はゴネますし、結果利息を譲歩した債権者が馬鹿を見ることになります。
 そんな弁護士が一体どうやって債権者に信用されるというのでしょう?あいつは不誠実な弁護士だとリストに載り、以後和解に応じてもらえなくなるだけです。
 しかも最近はもっとひどく、過払いの場面で、利息を付けて請求しないと約束すれば、任意整理の和解に素直に応じてやると持ちかけられるそうです。まさに悪徳弁護士の足下を見た同じレベルの悪徳サラ金の対応ですが、この場合、過払いを依頼する人の権利を犠牲にして、任意整理で効率よく事件処理をして儲けようとしているのですから、まさしく背信行為です。

 したがって
 任意整理は個人再生手続ができない、意味がない場合に限って採るべき選択肢です。具体的には
 借金の総額が100万円(115万円)以下の場合
 個人再生による最低返済額はどのような手続においても100万円を下回ることがありません。したがって、借金の額が、100万円よりも低ければ、そもそも個人再生手続の要件さえ満たさなくなってしまいます(全額払いなさい、と言われるだけ)。
 したがって、この場合には、任意整理しか分割提案の方法はありません。
 なお、115万円というのは任意整理でも個人再生でも、弁護士に要する費用は掛かるので、個人再生手続がおよそ平均的に30万円掛かるのに対し、任意整理の費用を15万円と見た場合の差額で、たとえば、借金が115万円で弁護士の費用に15万円、トータル130万円支払うなら、個人再生手続の最低返済額100万円と費用30万円払うのと同じな訳で、そのラインが境界になるだろうということです。
 借金の総額が100万円以上有っても、財産がそれ以上ある場合
 なにを馬鹿な、そんな状況で誰が相談に来るかと思いますでしょうか?
 これが、実は過払いのために、そうなってしまうというケースが結構頻繁にあるのです。
 この場合、分割の提案をする理由がないのですが、なんせ、過払いも、請求したら返してくれるなどという生やさしいものではないので、裁判をすることになります。
 その場合でも受任通知の時点までの利息を超えての請求は合意しません。
 このゴネるブラックリスト業者が債権者に居る場合、いろいろと別の手段を講じることになりますが、基本、多くの消費者金融も、当職の対応の誠実さには、理解を示すことが多いです。
 当職が任意整理を行うのは上の2つの条件のいずれかの場合だけです
 また、任意整理というのは相手方との新たな約束を取り付けようとする努力を意味するだけで、債権者には、その合意に応じる義務はありません。
 本当に、世の中には勘違いした弁護士が多いのですが、任意整理に応じる義務など債権者にありません。違法な金利はともかく、合法な金利の範囲内では、その権利はあくまでも権利であり、裁判を起こされた日には、請求は認容されるのです。
 なぜ、債権者が応じるかというと、応じなければ、早晩債務者は経済的に破綻し、破産することになり、そのときは1円も返って来ませんが、という状況と比較してマシだということに尽きます。
 したがって、当事務所もまた、債務整理だけ、という依頼は受けておりません。相手方がイヤだと言えばそこで身動き取れなくなるからです。
 だからと言って、ゴネられたら利息も付けて支払うなどという不誠実な対応は一切致しません。
 なので、任意整理に応じてもらえなければ、破産または個人再生手続を選択することも含めての事件方針に承諾がなければ、依頼はお受けしていないのです。委任契約時に必ず説明している内容です。

 最後に 当事務所の借金の相談が最高水準である理由
 業界の恥をさらしているようなものですが、依頼者の利益を弁護士個人の金銭的欲求に優先しているだけで、すでに、全国有数の法律事務所であるということが出来ます。
 そんなの当たり前だと思っているかしりませんが、CMを大々的に展開している弁護士・司法書士が一体どこからその費用を捻出しているか考えたことがありますでしょうか。
 加えて、借金の処理の「一環」でしかない過払いの返還において、圧倒的な技術の格差があり、かつ個人再生手続においても、限界を広げること、破産手続においても無理なく更生を実現するために、個人の生活基盤のインフラを実体以上に過大に評価しないように、裁判所と口論しても、結果を求める姿勢があるからこそ、当事務所は、この分野において他の弁護士の追随を許さない実績を持っているのです。
 詳しくは、このHPの判例をご覧下さい。

 あなたの借金の悩みを解決するにあたり、間違いなく、「あなたにとっての最善の方法をご提案いたします」
 連絡先は
 075−222−7090  京都寺町法律事務所
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